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公益社団法人 空気調和・衛生工学会 第63回学会賞論文賞(学術論文部門)を受賞 ~室圧管理の精度向上と安全性の確保、省エネルギーへの貢献~
2025年6月2日
株式会社朝日工業社(本社:東京都港区 代表取締役社長:髙須 康有)は、公益社団法人 空気調和・衛生工学会より「第63回学会賞論文賞(学術論文部門)」を受賞し、5月15日(木)に明治記念館(東京都港区)にて表彰式が執り行われました。
「学会賞論文賞」は、学術・技術の進展に顕著な貢献を果たした優れた論文に対して授与される栄誉ある賞であり、当社技術研究所の元所長である本田重夫氏が当社に在籍していた2023年に発表した研究成果が高く評価されたものです。

表彰会場にて
株式会社朝日工業社 技術研究所 本田重夫(元所長)
- 受賞論文名
『差圧制御における基準圧の安定化に関する研究』
第1報 外乱風による基準圧の測定誤差と二重管による誤差低減の検討(論文集317)
第2報 基準圧の測定経路に接続した容器による誤差低減効果(論文集No.319) - 受賞者
株式会社朝日工業社 技術研究所 本田重夫(元所長) - 受賞概要
本研究は、特殊な用途の建物における安全性の向上と省エネルギーへの貢献が期待されるものになります。
製薬工場、バイオ研究施設、隔離病棟などの特殊環境では、クロスコンタミネーション(交差汚染)※1防止の観点から、室間での差圧制御が不可欠です。また、半導体などの製造工場では清浄度の確保、高層ビルでは自然換気口※2の安全な開閉制御など、幅広い分野で差圧制御の技術が用いられています。
しかしながら、差圧制御の基盤となる「基準圧」の測定誤差の影響や、その安定性に関する体系的な研究報告は少なく、精度向上には課題が残されていました。
本研究では、外乱風などによる測定誤差を抑える手法として「二重管の導入」や「容器接続による安定化」を検討・実証し、実建物への応用においても基準圧の高精度な安定化を可能とする成果を示しました。これにより、室圧制御の信頼性向上はもちろん、清浄度の維持とファン動力の最適化が可能となり、安全性の向上と省エネルギーへの貢献が期待されます。
※1 微生物や化学物質が、別の場所や物質に不適切に移ること
※2 風や温度差など自然の力を利用して屋内と屋外の空気を入れ替えるための開口部
- 公益社団法人空気調和・衛生工学会HP
- 第63回学会賞論文賞および同奨励賞受賞者一覧
- 朝日工業社ホームページ 研究論文
差圧制御における基準圧の安定化に関する研究
第1報 外乱風による基準圧の測定誤差と二重管による誤差低減の検討
第2報 基準圧の測定経路に接続した容器による誤差低減効果
朝日工業社グループは、空気・水・熱に関係する分野において、さまざまな技術やシステムを研究・開発し、提供してまいりました。これからも当社グループは、長年培ってきた空気調和技術を駆使して、必要とされる「快適環境」「最適空間」の創造を続けてまいります。
以上
株式会社朝日工業社 広報・IR室 担当:大澤・深瀬 TEL:03-6452-8181 E-mail:koho-t41@asahikogyosha.co.jp |