朝日工業社SUSTAINABILITY

事例紹介03

事例紹介03

~競走馬にも快適な環境を~ 飼育用の給水設備の増設提案

競走馬の生産・育成・販売を事業とするノーザンファーム様は、日本を代表する多数の名馬を輩出しており、サラブレッド一頭一頭の徹底した個体管理を行うとともに、次代を担う優れた繁殖牝馬の導入、施設・環境の整備、管理・育成ノウハウや技術の向上に取り組まれています。このノーザンファーム様の調教拠点の一つ、福島県岩瀬郡天栄村に位置する「ノーザンファーム天栄」において、これまで当社は設備工事を担当していましたが、馬用給水量不足の調査と将来の飼育馬数増加を考慮した給水装置の改善計画を提案してほしいとのご相談をいただき、現状調査と給水設備増設の提案を行うことになりました。

ご依頼内容
馬用給水量不足の調査と将来の飼育馬数増加を考慮した馬用給水装置の改善計画を提案してほしい。
提案内容
給水時刻別での使用量の調査等を行った上で、既存の散水用井戸ポンプを利用した受水槽および加圧給水ポンプの増設をご提案した。

1 現状設備の調査

  • 馬300頭の8時~18時までの使用水量の調査を実施(2019年夏)
    ➡ 曇りで気温も低い状況下、ドライミスト、屋根散水、ウォーキングマシンの稼働がない条件で79.8㎥/日
  • 馬320頭の7時半~18時までの使用水量の調査を実施(2022年夏)
    ➡ 曇りで気温も低い状況下、ドライミスト、屋根散水、ウォーキングマシンの稼働がない条件で82.5㎥/日
夏季の高温時における各種設備が稼働した場合の給水量をシミュレーションした結果、173.6㎥/日と算出できました。時刻別の使用量を受水槽の水位変動に表すと、11時〜11時半で渇水になる計算であり、実際に猛暑時に同時刻近辺で渇水が発生されたようでした。

2 提案内容

上記の調査結果を受けて改善策を検討し、既存の散水用井戸ポンプを利用した受水槽および加圧給水ポンプの増設を提案いたしました。
将来的な飼育頭数である400頭を条件として、各種設備が稼働した場合での給水量の想定値である218.0㎥/日に対して、改善策を行った場合の時刻別水位変動は17時近辺でも渇水にはならず、夜24時頃には満水に復旧するシミュレーション結果となり、妥当性があるものと考えています。

時刻別受水槽 水位変動(ウォーキングマシン・厩舎ミスト・屋根散水が稼働した場合の想定曲線)