事業活動を通じた取り組み
事業活動を通じた取り組み
設備工事事業
建設業の持続可能性を支える新たなアプローチ:オフサイト生産がもたらす変革
労働力不足の問題や脱炭素化での課題

建設業界における労働力不足は、各企業が解決に向けてさまざまな対策を講じていますが、依然として大きな課題となっています。特に次世代の担い手不足と就業者の高齢化は現場の生産性維持に大きな影響を与えることになります。
また気候変動対策の必要性が世界的に高まり、各業界が温室効果ガスの排出抑制に努めていますが、建設業は大量の資機材を必要とし、さらに各工場から建設現場への運搬回数も多いため、施工時に多くのCO₂を排出しています。そのため、2050年にカーボンニュートラルを実現するには施工段階におけるアプローチも重要となります。
朝日工業社グループでは、これらの課題を解決し持続可能な建設プロセスを支えるために、オフサイト生産を中心としたユニット化と集約搬送を活用しています。
オフサイト生産の可能性
多くの建設現場では各メーカーや代理店から個別に搬入された資機材を建設現場で施工、組み立てをしています。しかし、現場スペースは限られるので、一度に大量に発注して保管しておくことは不可能であり、また納品された資機材は個別に梱包されているため、搬入後現場で解体して梱包資材は廃棄していました。

オフサイト生産とは、建設資材や部材を倉庫や工場などの施設で事前に製造・加工し、現場に届ける方式です。各メーカーが拠点に適切なタイミングで一括して資機材を搬入することで、物流の効率化、CO₂排出量の削減が可能となるほか、再利用可能な専用台車を使用して無梱包で搬入することで廃棄物の削減にもつながります。また、倉庫や工場内で施工をユニット化することで現場での作業を削減、さらに良好な環境での作業により安全性はもちろん、施工品質も向上します。
オフサイト生産の活用はまだ部分的な実施ですが、今後各現場に拡大することで持続可能な建設プロセスが実現できると考えています。

無梱包での搬入を実現

おくことで建設現場での作業を削減

組み立て作業
これまでのサステナビリティ事例
- 株式会社竹中工務店様「北海道地区FMセンター建替計画」~井水(地下水)熱の活用~
- 福岡市地下鉄七隈線博多駅における「下水熱」の利用
- 共同印刷株式会社 本社新社屋における各種省エネ技術の導入
- 株式会社吉兆楽新社屋精米工場における「雪冷房」設備の導入
- 三生医薬株式会社における燃焼式脱臭装置の「排気熱」の有効活用
- ロジポート名古屋における「地中熱」の利用
機器製造販売事業
フロン対策

環境負荷軽減の取り組みの一環として、オゾン層破壊係数が大きい特定フロンを使用している古い装置をお持ちのお客さまに対して、係数がゼロである代替フロン(R407C)を冷媒とする冷凍機への交換(R407C化)を積極的に提案しています。また、フロン排出抑制法(2020年4月改正)に基づき、第一種特定製品(業務用冷凍空調機)の管理者として、フロン類の使用時における確実な漏洩防止に取り組むとともに、第一種フロン類充填回収業者に登録して、適切にフロン類の充塡、回収を行うなど、行政の行程管理制度に則った適切な管理、運用に努めています。
環境配慮型超精密チラーの開発

当社は以前からOEM提供をしている電子ビーム描画装置※1向けのチラーの最新モデルを開発しました。チラーとは、水や熱媒体の液温を管理しながら循環させ、さまざまな産業機器などの温度を一定に保つための装置の総称です。フロンを冷媒とした冷凍機と水を循環させる水回路からなり、熱交換器を通して冷媒と水が熱交換を行う仕組みになっています。
本チラーには主に4つの特徴があります。
チラーの仕組み

従来型との比較

特徴1 超精密な温度制御~±0.005℃(実力値)を実現
半導体の製造プロセスに欠かせない電子ビーム描画装置ですが、描画時に重要なのが対象物の温度管理です。本チラーは実力値±0.005℃という業界トップクラスの超精密な温度制御を可能としています。
特徴2冷媒に低GWP(地球温暖化係数)フロン※2を採用
従来型の冷媒R407CがGWP1,770なのに対し、最新モデルではR513Aを採用することでGWPが573(従来型の約1/3)と環境に配慮しながら、安全性(低毒性・不燃性)を充たし、さらに性能面でも優れた温度制御を実現しています。
特徴3 装置サイズの小型化と多系統化を両立
メンテナンス性も考慮したうえで従来型よりも体積比で約28%小型化、さらに制御系統数を7系統から8系統に増設しました。
特徴4 各種国際規格に準拠
本チラーは半導体製造装置が設置される世界各国の安全規格やガイドラインを充たすように設計しており、第三者機関による安全審査によってその適合性を証明しています。
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- 欧州CEマーキング
- 北米NFPA79(米国産業機械用電気安全規格)
- SEMI(半導体製造装置規格)
※1 電子線を用いて回路パターンを形成するリソグラフィ装置。主に半導体用レチクル(転写するための原版)を作るために用いられる。
※2 GWP(Global Warming Potential (地球温暖化係数))とは、二酸化炭素を基準にして何倍の温室効果があるのかを表した数値のこと。数値が低いほど地球温暖化への影響度が少ない。
より詳細な情報は、以下のPDFをご確認ください。
エコノパイロットの製作・販売

エコノパイロットは、2002年の発売以来、その信頼性と圧倒的な省エネ効果が高く評価され、あらゆる分野において数多くの省エネ実績を残してきましたが、2016年より横河電機株式会社からの移管を受けて、当社がエコノパイロットの製作・販売を手掛けるようになりました。
エコノパイロットは、空調設備に用いられる二次ポンプの運転を、最適に制御する省エネ制御システムで、既存の空調設備にこのエコノパイロットを設置するだけで、負荷が最大になるときを除き、送水ポンプの無駄な運転をなくすことで消費電力を最大90%削減という、極めて高い省エネ効果を実現することができます。
これからもエコノパイロットの製作・販売を通じて、省エネによる環境負荷軽減により一層貢献していきます。
- エコノパイロットの3つの大きな特徴
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- 1.最大90%の年間送水電力削減が可能
- 2.小型のコントローラを既存設備に追加するだけ
- 3.削減量がその場で分かる運転管理画面