朝日工業社SUSTAINABILITY

社外役員ダイアログ

社外役員ダイアログ

社外取締役ダイアログ

社外取締役藤山ふじやま 雄治ゆうじ

社外取締役奥宮おくみや 京子きょうこ

社外取締役田村たむら 昭二しょうじ

「ワクワクする未来」の実現を
私たちが後押しします

朝日工業社グループは100周年を機に、
新たな企業理念、長期ビジョンを策定しました。
今回、さまざまなキャリアを有する3名の社外取締役にお集まりいただき、
この企業理念、ビジョンに基づく当社グループの課題と未来について
語り合っていただきました。

新たな企業理念、長期ビジョンに掲げた未来の実現を目指して

田村:当社は、今回、新たな企業理念「ASAHI-PHILOSOPHY」と長期ビジョン「ASAHI-VISION 2050」を策定しました。これは、幹部、若手、女性を含めてさまざまなメンバーを集め、時間をかけて作り上げたもので、大変な作業だったと思います。その結果として掲げた理念やビジョンの内容は見事だと思っています。
環境の変化が激しく先行きの予測が困難な時代において、ビジョンに掲げる2050年、25年後の世の中や会社がどうなっているのかを想像するのはとても難しかったと思います。しかし、これからの朝日工業社を支える若手社員が中心となって、大胆な発想でスローガンを「ワクワクする未来をカタチに」としたことは非常に頼もしく、是非この未来を追求していってほしい。こうした社員たちの夢を活かす形で、会社は変わっていく必要があると思います。

奥宮:パーパスで定めた「情熱と技術で、世界をもっと最適に」には、これまで培ってきた技術を大切にしようという想いと、事業を拡大させていく、新規分野にも挑戦していくという姿勢が込められていることがよく分かります。
また、ビジョン策定に際しては、4名の女性社員を含めた若手社員を中心とする検討委員会において、社会課題を分析し会社の置かれている立ち位置を考えて、これから何をやっていけばいいのか、何をやりたいのかが考え抜かれています。
新規分野として、新エネルギーや医療・健康、アグリ、バイオなどを取り上げているのですが、これは若手を中心に勢いをもって進めてもらいたい。そして、私たち経営陣の役割は、その勢いを止めないこと、そして社員たちの力、やる気を引き出す環境を整えることだと考えています。

藤山:議論の末に出した結論にはもちろん価値がありますが、私はその過程において、20代、30代の若い社員たちが自由な発想で、従来の考え方にとらわれず議論をしたこと自体に価値があると思います。特に長期ビジョンについて、当社は保守的な社風だと思いますが、それを打ち破ろうとする芽が出てきたという点は大いに評価できます。
私は、上場企業の責任とは持続的に成長し、企業価値を向上させることだと考えています。今回の検討の過程で海外、新規事業を含めて挑戦する姿勢が前面に出てきたことには非常に価値があります。私たちとしては、従来のような社風を打ち破るよう促すことも重大な責任であることを今後も強調していきたいと考えています。

田村:今回の企業理念とビジョンの検討において、何が良かったかと言えば、経営層、幹部、若手が横に連携し、一つになったことです。従来から企業理念を新しく変える際に、あらためて当社の存在意義は何かという議論があったのですが、長い歴史があったからこそ、今のパーパスを定めることができたと思います。

藤山:100周年を迎えるにあたって歴史を振り返ってみると、当社の社風は必ずしも保守的ではなく、戦前、戦後の厳しい状況の中で会社と社員を守るために力を尽くしてきたことが分かります。若い方たちにも、会社を育ててきた先人たちの行動を是非とも学んで、チャレンジしていってほしいと思います。

「オール朝日」で、新しい市場開拓に積極果敢にチャレンジしてほしい

奥宮:当社の取締役会は、比較的自由に物を言える雰囲気が保たれています。1つ前の長期ビジョン「ASAHI-VISION 100」が策定されてから「オール朝日」という言葉が社内に浸透してきたと感じています。事業面でも、機器事業部が設備工事の事業店と協力して営業を進めて、成功したケースもあります。これは非常に良い傾向であり、役員も同様に「オール朝日」となって、もっと議論しなければならないと感じています。そしてもう一つ、市況が好調な今、何に投資をするのか。積極果敢に、かつ、慎重に議論を重ねていきたいと思います。

田村:取締役会の活性化という観点で不足している点をあえて挙げるとすれば、難しい事業もある中で、新しい市場開拓、企画にもっと取り組むことだと思っています。どのような環境にあっても、他社に負けない提案、商品の差別化を実現するための仕組みについて、もう少し議論を深めたいと考えています。
現在、設備工事事業には競合会社が10社程度存在します。そのなかには特定の分野にターゲットを絞った企業も存在していますが、当社は幅広い領域に展開しています。その広がりが新事業、例えばアグリ、バイオ、医療・健康、新エネルギーなど新しい領域への挑戦を可能にしているのです。
私は、朝日工業社は他とは違う市場で差別化できる事業を創造できる会社だと考えています。スローガン「ワクワクする未来をカタチに」という若い人たちの意思、夢の実現に向けて可能性のある会社だと思います。

藤山:あらゆる業界で通用する技術力を有しており、そこに大きな可能性があると思います。当社の技術力が活きる分野、水や空気の領域でイノベーションを起こすことができると考えています。

奥宮:当社の技術を活かして新しい領域で事業化を実現するためには、外部の専門家集団とパートナーシップを組まなければなりません。今後、そうした形の拡大を目指していくためには、社内の人材、リソースを厚くする必要があります。今、必要な投資を積極的に遂行することで、成長の機会を掴んでおかなければならないと考えています。

次の100年の企業価値創造に向けて、失敗を恐れずに挑戦

藤山:次の100年は、言うまでもなくこれまでの100年の延長線上にあります。当社の強みを十分に活かせる事業展開を第一に考えなければなりません。長期ビジョンにおけるスタートの5年間、この第1段階目で次へのビジョンをどのように描くかが非常に大事です。最初の1歩目をどう踏み出すか、1st Updateに全力で取り組む必要があります。

奥宮:失敗を恐れずに挑戦するという社風をしっかり築き上げていくことが重要であり、そのためには結果のみを見るのではなく、会社全体で責任を取るという姿勢が必要です。当社はこの100年間、社員をとても大切にしてきたと感じています。株主のみなさまに記念配当、増配を実施していますが、人的資本への投資もしっかり実行してきました。社員を大切にするという姿勢は、企業が持続可能であるためには不可欠です。それに加えて当社は取引先との高い信頼関係も構築しており、これらは最終的に企業が生き残っていくために必要不可欠な要素です。

田村:当社の規模で100年続く企業は世界でも少数しかありません。100年企業は、つねに新しい挑戦に取り組み、新しい商品を必ず出し続けています。これからの100年においては、サステナブルも含めて、「情熱」「誠実」「仲間意識」が大切になってくる時が必ずやってきます。私の好きな言葉に「不易流行」という言葉があります。これは、時代や環境に合わせて変えるものがある一方で、絶対に変えてはいけないものがあるという意味です。今後の100年の中で必ずそうした場面に直面すると思いますが、朝日工業社における不変を大切にして、会社を成長させてほしいと思います。私たち社外取締役も、次の100年に向けて力を尽くしていきたいと思います。