朝日工業社SUSTAINABILITY

お客さまのために

お客さまのために

お客さまのためにお客さまのために

朝日工業社グループは、多種多様なニーズを捉えた技術提案と社会課題の解決に取り組み、また施工・製造における品質の確保に努めて、お客さまに「信頼」と「安全」をお届けしています。

ファシリティマネジメント(FM)提案活動の推進

脱炭素社会の実現など、お客さまの地球環境への関心がますます高まる中、当社は以前から脱炭素化につながる技術をはじめとした環境負荷低減システムの研究・技術開発を重ねてきました。現在はその取り組みを強化するとともに、お客さまへのFM提案活動を推進しています。当社には認定ファシリティマネジャーの資格取得者が多数在籍し、FMを強化・推進するための全社的な体制を構築しており、お客さまが保有する施設の省エネ化、低コスト化を実現するだけではなく、施設全般および利用環境を総合的かつ統括的に企画、管理、活用することを念頭に、積極的に提案活動を展開してお客さまの経営課題の解決をサポートしています。

※ファシリティマネジメントとは、ファシリティ(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営活動であり、ファシリティの維持、保全のみでなく「よりよいあり方」を追求します。

技術・ソリューション提案の推進

当社は創業以来、お客さまの多種多様なニーズや課題を解決するために、最適かつ安全な技術の開発と提案を重ねてきました。近年は技術革新や社会情勢の変化に伴い、お客さまのニーズが高度化し、また社会課題も複雑化していますが、当社はそれらに対して長年培ってきた高い技術力と経験に基づく技術・ソリューション提案を積極的に行い、お客さまから満足と信頼を得ています。

事例紹介~水を止めるな!~
ホテルの運営を支える不断水での高架水槽更新工事

~水を止めるな!~ホテルの運営を支える不断水での高架水槽更新工事

ホテル インターコンチネンタル東京ベイは地上24階、客室数330室、7つのレストランとケーキショップ、13の宴会場に2つのチャペルを有するウォーターフロントホテルで、開業以来「お客様に特別な体験を提供する」という信念のもと、最高のおもてなしとサービス提供されています。当社は開業時から施工に携わり、快適空間の提供をお手伝いしてきました。

今回、高架水槽が更新の時期を迎えたため、工事を計画することになりましたが、対象の高架水槽は全客室への給水と給湯に使用されており、客室への供給が断たれれば、その間はホテルを運営することができず大きな損失が発生してしまいます。
通常、高架水槽は中仕切りによって2槽構造となっています。一般的にはこの中仕切りの位置をずらすことで片槽ごとの更新を行う工法が用いられるのですが、今回は高架水槽のサイズの都合でその工法の採用が困難でした。そこで、空いているスペースに新たに基礎を設置し、高架水槽を2槽に完全分離して配置することで、ホテルの運営に影響を与えない不断水での交換を計画しました。

高架水槽更新工事の4ステップ

以上の4段階のステップによる施工を提案し、計画通りに工事を実施することで、工事期間の70日間、ホテルの運営に影響を与えることなく完了することができました。

事例紹介~発想の転換~
空調システムの見直しによる省エネの実現

~発想の転換~空調システムの見直しによる省エネの実現

日本電気硝子株式会社様は世界トップクラスの「特殊ガラス」のメーカーであり、高度な技術力を活かして紙よりも薄くしなやかに曲がるガラスや糸のように細いガラス、急激な温度変化にも耐えられるガラスなど、社会のさまざまな分野の用途・ニーズに応じた特殊ガラスを製造されています。今回当社は、日本電気硝子様の能登川事業所でクリーンルームを新設する工事に参画させていただきました。

クリーンルームとは、空気中のゴミやホコリなどの微粒子が取り除かれた清浄度の高い空間のことで、高品質なガラスを製造するには欠かすことのできない設備です。単に清浄度が高いだけではなく、快適に作業ができるように温度や湿度もコントロールされていなければなりません。
クリーンルーム内部の清浄度を保つには空気の循環回数が重要であり、当初は循環風量を確保しつつ、温湿度を調整できる大型空調機を導入する計画でした。しかし大型空調機を設置できるスペースは限られており、この方法だとクリーンルームまでのダクト経路が長くなってしまいます。ダクトの経路が伸びれば圧力損失が増えてしまい空調機の動力が大きくなり、消費電力も多くなるため、これを解決する手段がないか検証しました。

AシステムとBシステムの比較図
感謝状

Bのシステムは機器が増える分、余計にイニシャルコストやランニングコストがかかるように思われますが、設置スペースの問題が解決されることでダクト経路が短くなり、空調機の搬送動力を抑えることができることが分かりました。そのため新たに循環ファンの搬送動力が加わったとしても、当社試算上の数値ではありますが、Aのシステムよりも年間で最大約24万kWの電力削減が可能になると予測しました。さらに大型の空調機を採用せずに済むためイニシャルコストにおいても大きな削減効果を見込んでいます。
この結果を日本電気硝子様に報告したところ、当社の提案したBのシステムが採用され、さらに省エネ効果の高いイニシャルおよびランニングコスト低減提案を行ったとして「Value Creation 2024年度 優秀パートナー」に選出いただきました。

これまでの技術・ソリューション提案事例

品質向上への取り組み

設備工事事業

施工管理方針
[重点目標]
品質トラブル『ゼロ』
環境配慮施工
[重点施策]
確かな計画
確かな施工
CO₂排出量の低減
[重点事項]
リスクの抽出と排除
品質確認・記録の完全実施
省資源・省力化工法の積極採用

品質トラブルの未然防止

品質トラブルの未然防止

施工現場での品質トラブル「ゼロ」を目指して、過去10年間における品質トラブルの要因分析を行い、トラブル未然防止対策を策定し、全店会議や社員研修の場で水平展開しています。また、全国の施工現場で施工パトロールを計画的に実施して、設計内容を踏まえた技術指導や過去のトラブル事例による注意喚起を行うとともに、工程管理やコスト管理が適切に行われているかを確認するなど、高い品質と適切な施工管理体制の確保に取り組んでいます。

施工現場での業務効率化に向けて

現場業務の効率化は施工現場の品質向上における重要な取り組みの一つです。主にタブレット型端末、ドローン、自動墨出しシステム、3Dスキャナ等の活用促進に取り組んでいます。また、RPAの積極的な活用とともに、現場管理に役立つ技術情報や管理書類などを掲載したデータベースの活用によって業務効率の向上も図っています。

タブレット型端末による施工管理
タブレット型端末による施工管理
屋内狭所空間でのドローンの活用
屋内狭所空間でのドローンの活用
自動墨出しシステムによるレーザー墨出し
自動墨出しシステムによるレーザー墨出し

「技術発表会」を通じた技術の伝承

技術発表会の様子
技術発表会の様子

当社では毎年10月に、全国の施工現場の中で採用された選りすぐりの技術を発表し、優秀技術賞を選出する「技術発表会」を開催しています。コロナ禍により、やむを得ずリモートでの発表会を開催していましたが、2024年は5年ぶりに対面で開催することができました。発表者に対して活発に質問がなされ、その後の交流会でも意見交換を行うなど、技術伝承の場として意義のあるイベントになっています。また、優れたVE※事例の紹介を行うなど、技術の発表だけにとどまらず、技術者自身のスキルアップにつながる学びの場にもなっています。

※VE(Value Engineering)とは、最小のライフサイクルコストで必要な機能を確実に達成するために行う製品やサービスの機能的研究のことであり、単にコストダウンを図るのではなく、あくまで機能とコストの両面から、価値の向上を図ることを最大の目的としています。

機器製造販売事業

品質方針
[方針]
お客様が満足する製品・サービスを提供する
[活動]
  • 流出不具合を無くすことを目指した活動とする
  • ノウハウを蓄積、活用して品質向上を図る
  • 各部門・工程でさらに品質改善活動を強化する
[キーワード]
  • お客様第一
    お客様情報(仕様・クレーム)を良く確認し周知する。
  • 機器事業部の作業指針(標準書、手順書)に従う
    標準化された⼿順に基づく設計・組⽴。
  • PDCAは品質改善であり、経営改善サイクルである
    明確な数値や指標を設けること。
  • 是正・予防策を実施するのに必要な教育と訓練を行う
    品質連絡票を用いて不具合を迅速に分析し、深掘りすることで対策を充実させる。
  • 技術力向上のため、継続的に教育を行う
    組織・個⼈とも⾃⼰啓発に努める。

「不具合流出ゼロ」への取り組み

「不具合流出ゼロ」への取り組み

「不具合流出ゼロ」の実現に向けた取り組みとして、不具合情報管理システム「品質連絡票DB(データベース)」を構築し、運用しています。本DBでは、不具合が発生した際に原因の深掘り(なぜなぜ分析)を実施して、その結果を必ず入力することをルールとし、不具合原因が複数の工程や協力会社などに起因する場合もDB上で一元管理することで、より有効な再発防止策が策定できます。これまで蓄積された不具合情報を分析して、不具合発生の未然防止を図り、「不具合流出ゼロ」を目指していきます。

製品含有化学物質の管理によるグリーン調達の推進

品質改善活動の強化の一環として、特定有害物質の使用を制限しているRoHS指令やREACH規則等に対応したグリーン調達活動を実施しています。サプライヤーには納入部品を構成する化学成分の調査を依頼し、サプライチェーン全体で得られたデータを専用管理システムに登録して評価し、その評価データを設計段階での部品選定に活用しています。化学成分の調査およびお客さまへの情報提供には、JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が推奨しているデータ作成支援ツール(chemSHERPA)を活用することで、確実かつ効率的な管理を行っています。

製造現場へのデジタル技術の導入

現場帳票電子化システムを活用した作業の様子
現場帳票電子化システムを活用した作業の様子

製造現場における生産性向上を目的として、作業分析ソフト(OTRS:Operation Time Research Software)を導入し、さまざまな製造工程に潜む3M(ムリ・ムダ・ムラ)の見える化と排除を行っています。また、現場帳票電子化システム(I-Reporter)を活用して、動画や写真、3D解析等の視覚効果による作業指示をタブレット型端末で確認できるようにし、製造ノウハウの標準化と手順化を容易にするとともに、協力会社との情報共有を円滑にして品質の均一化を図っています。

作業分析ソフト(OTRS)により、半導体露光装置向け空調機の製造において1.53倍の生産性向上を実現